残業代請求が急増
  
〜不払残業を続けるリスク〜

 

 

 今、退職者等からの残業代請求が急激に増加しています。

 情報量の増加等により労働者の権利意識が高まっていることに加え、消費者金融に対する過払金返還請求等で大きな成果をあげた弁護士や司法書士等の専門家が、次のターゲットとして残業代請求業務に力を入れるようになってきたことがその背景にあります。

そして、残業代支払請求がひとたび認められれば、その総額は莫大な金額となることが多く、経営を左右することにもなりかねません。消費者金融への過払金返還請求によって、アイフルや武富士等の超大企業がどうなったかは、皆さんもご承知のことと思います。
 このような残業代請求に関するトラブルは、過払金返還請求と同様、今後ますます増加することが予想されます。

今一度、会社の就業規則およびその運用状況、その他の労務管理状況等についてご確認いただき、問題がないかを検証し、就業規則の整備をはじめ必要な防衛策を講じることを強くお勧めいたします。



 労働基準法では、法定労働時間(1週間40時間、1日8時間)を超える労働をさせた場合や休日に労働させた場合に、会社に一定の割増賃金の支払を義務付けています。

 不払残業とは、この割増賃金を支払わずに、時間外労働・休日労働をさせることをいいます。不払残業は、慢性的な長時間労働を助長するとされており、厚生労働省においても毎年キャンペーンを実施するなど、取り締まりを強化してきています。

 この不払残業をめぐるトラブルが今急速に増加しています。この要因の一つに、弁護士や司法書士等の法の専門家が、不払残業代の請求業務に力を入れるようになってきたということがあります。

 近年、消費者金融等に対する過払い金の返還請求に取り組む弁護士や司法書士が多くなっているのはご承知のことと思います(新聞等の広告だけでなく、テレビやラジオのCMも頻繁に流れています)。この過払い金の返還請求によってかなりの収益をあげた弁護士や司法書士の事務所等もあるといいます。これらの事務所等が次に力を入れ始めたのが、不払残業代の請求なのです。


 不払残業代の請求は、以下のような点において過払い金返還請求業務と類似しており、過払い金返還請求業務からの流れで取り組みやすいことも、不払賃金請求の急速な増加につながっていると考えられます。


 @ 比較的簡単な計算により残業代が算出できる

 A 労働者保護法制の強力なわが国においては、会社の主張が認められにくい

 B 不払残業代が現実に発生している会社が多い(不払残業代の発生に気づいていない会社もある)

 C 残業代を回収できる可能性が高い

 
 不払残業代請求は、今後ますます増加することが予想されます。会社は、今一度、自社の制度に法律上の問題がないか検証し、必要な防衛策を講じることが大切です。



 
【残業代請求に関する法的判断】

 不払残業を請求された会社がよく行う反論について、法的にどう判断されることが多いのかをまとめてみましたので、参考にしてみてください(以下のような反論は大部分が認められていないのが現状です。このような反論をしなくて済むような対策を行っておくことが大切です)。

会社の反論

法的判断

残業代は支給しない条件で入社した

残業代の支払は、強行法規である労働基準法上の義務であり、たとえ同意があったとしても無効となることから、支払義務はなくならない。

本人が勝手に残っている 会社が黙認しているような場合はこの主張は認められない。残業を禁じていても、時間内に完了できる業務量かどうかが問われる。
休憩が多く実際の労働時間は少ない 「休憩=完全に労働から解放される時間」であるので、電話番等のいわゆる手待ち時間等は休憩とはみなされない。
管理職だから支給しない

いわゆる名ばかり管理職に該当する場合には、残業代の支払が必要となる(厳格に判断され、現実には管理職として認められるケースは少ない)。

時間外になるのは本人の能力不足だ

法定労働時間を超えて労働させたという事実に基づいて残業代の支払義務付が発生するため、労働者の能力がそこに加味されることは基本的にない。
基本給に残業代が含まれている 明らかに残業代が含まれていると認められる場合でない限り、残業代部分が明確に特定されていない場合には、別途残業代の支払が必要となる。
年俸制だから支給しない 年俸の内訳として残業代部分が明確に特定されていない限り、別途残業代の支払が必要となる。

歩合給に残業代が含まれている

一般に歩合給は業績に連動するものであり、時間外労働等の残業代とは性格が異なることからこの主張は認められない。
営業手当に残業代が含まれている 営業手当が残業代として支払われていることが明確でない限り、原則認められない。
残業時間について代休を与えている 時間外・休日労働をした事実がある以上、代休を与えたからといって残業代の支払義務は消滅しない。

 

 


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